ごはん

良い医療のために、良い食事をつくる

健康で長生きする。多くの方が望むことではないでしょうか。一方で、病気になった時、お世話になるのが病院で、入院すれば必ず食事が供されます。今号では、「病院食のいま」を取材しごはんの魅力に迫ります。

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今回取材したのは地元の拠点病院「やよいがおか鹿毛病院」です。鹿毛病院では、一日300食を調理。患者さんの状態に応じて、同じおかずでも味付けや火の通し方を10種類ほどつくり、ごはんも3種類の炊き方で提供されています。この膨大な仕事を約30名の調理スタッフが行います。一般的に、病院食は外注化(効率化)する施設が多い中、どうして鹿毛病院は自分たちで食事をつくるのでしょうか?

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たとえば一般の病院食は、次のような光景が当たり前になりつつあります。野菜は工場でカットし、病院では味付けのみする。ダシは工場製品を使い、病院では粉末を水でとくだけにする…などです。鹿毛病院でも、カット野菜を使用してみたことがあるそうですが、味が落ちたために、すぐに元の状態に戻しました。野菜の切り方で味が違うので、野菜は自分たちでカットする。また、工場製品にはできない深みのある味がでるから天然素材(昆布、鰹節、いりこ)でイチから取る。カット野菜にすれば、毎日2時間スタッフ3人が野菜の下処理をする必要はなくなります。ダシも毎朝6時から時間をかけて取る必要はなくなります。

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外注化しない上に、手間を惜しまない調理を実践するのはなぜでしょうか?

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「食事で患者さんの治癒に貢献できるのが仕事の醍醐味。」と語るのは管理栄養士の永渕美恵子さん。永渕さんは、あるとき仕事冥利に尽きる出会いがあったそうです。「転院してきた患者さんに食欲がなかった。しかし、数日すると『鹿毛病院の食事はおいしい』と徐々に食欲が戻り、元気になり退院した。」と。 手間を惜しまないことで、おいしい食事を提供でき、患者さんが元気になる。元気な姿をみて、調理スタッフの士気が高まり、もっと美味しいものをつくろうとする。また、病院食の米を提供している私たちにも「良い病院食のために、より良い食材を提供しよう」という気運が高まっています。

諸説ありますが、食という字は「人を良くする」と書くそうです。だとすると、まさに今回の病院食は人に良い影響を与えているお手本のようなものではないでしょうか。ご存知の通り国内農業は岐路に立っています。ですが、このように食が本来もつ役割を見直すことで、まだまだ魅力的な世界を構築できそうです。今後も食と農の発展に貢献できるような情報発信に努めてまいります。最後までご覧いただき有難うございました。

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鹿毛病院
http://kagehospital.or.jp/

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